桜花学園創立100周年記念協賛行事・第四回市民連句祭
「とよた市民キャンパス連句まつり2003」
●主催 桜花学園大学生涯学習センター・豊田市・豊田市教育委員会・豊田市文化振興財団 
●後援 中日新聞社・公益信託俳諧寒菊堂連句振興基金・連句協会・愛知県・愛知県教育委員会

                                   
すてきな三句募吟 特賞・秀逸・入選作品
すばらしい作品1169組をありがとうございました。八人の選者により、特賞10・秀逸52・入選作品140 中学生特別賞1 計203組(重複あり)を精選させていただきました。ご報告します。後日選者評等を加え作品集を発行します。「付けてみませんか」の(学校部門)(一般部門)募吟なども収録しますのでお楽しみに。
( )内は出典作品の満尾年・作品名・出品代表者名。bヘ受付番号です。なお同一作品を複数の方が応募された場合は先着の方を代表者といたしましたのでご了承下さい。
                                                         

2003年10月25日

「すてきな三句選者特賞」七 賞状と副賞二万円 (選者五十音順)
選者特賞 大野鵠士 選者特賞 近松寿子

夢の中乗りて流るる花筏        式田恭子
 微塵の星にうらうらと住む       鈴木了斎
告天子翼を焦がすところまで      了斎

(03「啓蟄や」の巻 鈴木了斎)1145

福耳をちょっと抓んでみたいよな    矢崎硯水
 甘え足りない衣々の軒        矢崎妙子
プードルを籠にミサへと小急ぎに     硯水

        (00短歌行「猿楽」の巻 矢崎妙子)1059

選者特賞 原田千町 選者特賞 佛渕健悟  (原田千町秀逸)

内戦のがれきの屋根に芽吹きあり   自然女
 隊商路には欠けた仏像        ふじ
懐中の写真の君は若いまま       みそ

           (02「時雨」の巻 泓田美佐)954

原爆が墜ちしは青春どまん中     片山多迦夫
 誰が揺らしゐる月の鞦韆        沖津秀美
触れてみし八重花房のつめたさよ    多迦夫

       (99歌仙「禊川」の巻 片山多迦夫)338

選者特賞 宮下太郎  (佛渕健悟秀逸 矢崎藍秀逸) 選者特賞  矢崎 藍

 ガランスしぼり尽くすカンヴァス      福永千晴
黄金向日葵めぐり銃撃まだ熄まず    別所真紀
 ことさら深き八月の闇          浅賀丁那

     (02歌仙「宝恵駕籠」の巻 別所真紀子)377

 秒針加速進む昨今        ねぼけフクロウ
恋をしたアインシュタイン光なり    イーノ
 君に向かってあかんべえして    Ray

         (03雅仙「天神」の巻 Ray) 226

選者特賞 山地春眠子  (佛渕健悟秀逸 大野鵠士入選)
寒卵はじきあひつつ茹でらるる     真鍋呉夫
 逃げゆく刻をきさらぎと言ひ      澁谷 道
高階の病室なれば絹を着て      正木ゆう子

      (02非懐紙「花ひらく」の巻  澁谷道)960

すてきな三句特別賞 二    賞状と副賞二万円
恋三句特賞  (矢崎藍秀逸 近松寿子入選 宮下太郎入選) 時事三句特賞 (宮下太郎入選)

 離しもあへぬゆびきりの指      澁谷道
約束は夏草原を駆け抜けて     別所真紀
 ほら雷鳥が君を見てゐる      葦生はてお

       (99歌仙「檻の獅子」の巻 別所真紀)367

 もったいつけて手品ご披露     向井由利子
フセインの消息とんと伝はらず    大西素之
 行きつ戻りつ貨車の入れ替へ   岡田伊勢子

          (03「堰の水」の巻 大西素之)735

公益信託俳諧寒菊堂連句振興基金特賞   賞状と副賞二万円 中学校特別賞          賞状と副賞図書券一万円
俳諧寒月堂特賞 岡本星女 尾西市立第2中学校グループ 連衆 プラチナ、藍音、北風と太陽 こくまろ、花よりメロン、紅い花(市川明宏・加藤智恵子・山内奈津美・吉田愛)
*当初の予定にはありませんでしたが、尾西市立第2中学校のグループがベテラン連句人にまじり堂々2組の入選を果たしていましたので特別賞を贈呈しました。若い力に期待します!

 我もこうして物思うなり(吾亦紅)       はやお
脛に疵もつ身も坐して寺の縁(ミモザ)     桂
 シャツのボタンがひとつずれてる(牡丹)   霞

  (02連句KUSARI花賦物 bQ1228 斎藤恵子)906

俳諧寒菊堂賞次点 (岡本星女)
 三十五歳いまだ独身        一
魔女だって恋の涙は流します     弘
 プルカに隠す忍従の時        苗

      (02半歌仙「湖のいはれ」の巻田岡弘)71

カンツオーネ歌ひ踊って恋をして     坂君江
 白き腕の透ける羅           牧野涛女
珊瑚礁波にきらめく夏の月        岡本耕史

        (01二十韻「翁讃歌」の巻岡本耕史)533

 犬は男のベストフレンド       小町
打算などない愛以外求めない    カンちゃん
 澄んだ夜空に舞い落ちる葉    聖きよみ

   (00連句KUSARI bV028 渡邉正和)973

 
秀逸            各選者七組
近松寿子秀逸 宮下太郎 秀逸 原田千町入選 佛渕健悟秀逸 矢崎藍秀逸

縄文の丘の磐境神遊        楠正三
 寿の酒にとける粉雪        土屋実郎
旧友と積る話に果てもなし      村井昭三

       (02歌仙「神遊」の巻 土屋実郎)1163

 墓を抱けば深々と雪        しゞみ
択捉よ歯舞・色丹・国後よ      ふう
 発信器もつ獣追ひかけ       吉野      

(02歌仙「あらたまの」の巻 木村ふう)860

宮下太郎秀逸 矢崎藍秀逸 大野鵠士秀逸 宮下太郎入選

 しっとり重き紅葉諸枝         澁谷道
はららごに灯の透くような恋をして    西野文代
 別離に触れず盃をかさねる      澁谷道    

(00非懐紙「はなびらを」の巻 澁谷道)959

 海に向きたる船乗りの墓      八尾暁吉女
望郷のすだま彷徨ひ木隠れて   飯沼しほ女
 瓢の酒をふふむ仙人       東浦佳子       

 (00歌仙「秋の灯や」の巻 東浦佳子)512

原田千町秀逸 矢崎藍入選 原田千町秀逸 大野鵠士入選

羊の毛風かろやかに刈られゆく      増川妙子
 大統領は戦争が好き          中西道枝
子は泣きて女の泣きて日が暮れる    名和未知          

(03歌仙「山茶花」の巻 名和未知)104

来しかたの悔ことごとく火にくべて     黒田杏子
 ひと息に呑む深井戸の水        武藤千代美
耳飾りなどゆれゆれて美少年      伊藤哲子           

(02「白露」の巻 伊藤哲子)257

宮下太郎秀逸 原田千町入選 矢崎藍秀逸 原田千町入選

影売りし男の童話居待月        鈴木麻子
 チェロに遅れしこおろぎの声       赤松よう子
初猟の禊ぎの酒を廻し飲み       伊藤稜志        

 (03半歌仙「青梅」の巻 赤松よう子)749

 一化け二化け何んと美し      山元志津香
別れてと酒の勢い借りる人      藤原りくを
 辣韮のひげ丹念にとり        有賀元子      

   (00「小春日や」の巻 有賀元子)316

矢崎藍秀逸 近松寿子入選 大野鵠士秀逸
 輪切り削ぎ切りゆるりゆるりと      式田恭子
散る花の地に着くまでのものがたり    鈴木了斎
 ふらんす窓を覗く仔雀          鈴木美奈子     

     (03「人に尾の」の巻 鈴木了斎)1131

 薔薇の枝には薔薇の花咲く     兎
親友の赤い唇目をそらし        Katchi
 ハートの奥にぽつり焦げあと      Ray  

   (03連句KUSARI bQ6530 Ray)227

大野鵠士秀逸 大野鵠士秀逸

だみ声のLa Vie En Rose旅の空     沖津秀美
 この先崖と書きし道標          片山多迦夫
ゆづられし聖書に残る祖父の文字     秀美      

   (01歌仙「嘯き」の巻 沖津秀美)337

 つがいの鳩の覗く高窓        中野英歩
舶来のボトルシップにうつる月     芦川まり
 泡立草もまんざらでなし       山元志津香     

 (01半歌仙「モノクロの町」 芦川まり)347

大野鵠士秀逸 大野鵠士秀逸

束の間をモーゼの如く氷湖ゆく       山元志津香
  ほどけしままの靴の紐噛む        中村禎子
ニューハーフぴたりと玻璃のエレベーター  春日久子     

   (02オン座六句「知盛の」 山元志津香)431

 BGMのトーン落として         ふるふる
葬儀屋のもっともらしいアナウンス    たつみ
 一目でわかる親子兄弟        桂 

  (01連句KUSARI bP2314 山寺辰巳)588

大野鵠士秀逸 近松寿子秀逸

ステーションホテルの小部屋雨宿り     句念坊
 三面鏡の夢はまさゆめ?         勝
月凍てて男もすなる化粧など        千晴      

 (99三面鏡「羅を」の巻 福永千晴)1155

嵐山紅葉曼陀羅懐に         磯直道
 龍頭船で観月の宴         松田千佐代
時折に虫の音楽愛でもして      直道     

     (00「紅葉曼陀羅」の巻 松田千佐代)3

近松寿子秀逸 近松寿子秀逸

雑踏はメビウスの輪に冬隣         近藤蕉肝
  月をかかげてクラインの塔        小林静司
鳥渡れ悠久の刻道連れに         今村苗  

      (02半歌仙「冬隣」の巻 小林静司)805

恋すれば知らぬが仏知れば夜叉     出口蓮
  丑三つ刻に釘をさがせり        藤岡よし子
板塀は倒れしままの地震のあと      岡本耕史   

   (01半歌仙「爽やかに」の巻 岡本耕史)504

近松寿子秀逸 近松寿子秀逸

 古今伝授の里の碑          原田千町
電線に音符のごとき鳥の影       下鉢清子
 十一桁となりし人間          四十九院科峰   

 (02源心「森暮れて」の巻 四十九院科峰)143

狛犬の阿吽は凛と寒に入る        田岡弘
  触れてひらりと溶けし凍蝶       西岡恭平
這ひ這ひができし満座の賑ひに      弘      

 (00歌仙「阿吽は凛と」の巻 田岡弘)4

近松寿子秀逸 原田千町秀逸

 炉火の恋しく恋し人肌         東明雅
逢ふたびに傷口深く蚯蚓鳴く      杉山壽子
 金利零でも何故か冷静        武村利子       

  (01二十韻「桃の道」の巻 武村利子)453

 いかにかわすか年下の彼        小泉桜方
ラ・フランス食べ頃ですと匂い立つ     宇井美和子
 ナイトバザール国境の月         由川慶子  

  (99連句14「しづやしづ」の巻 宇井美和子)113

原田千町秀逸 原田千町秀逸

 船形埴輪にのりてゆく黄泉      大城里水
ひととびに億光年を越え去りて     山内幸子
 悲しきときの指をかむくせ       土肥暢子   

  (00歌仙「つぼみ椿の二」の巻 大城里水)208

ゆったりとクルージングの独り旅      蕗
 女神の笑みは自由たたえて       小晴
戦の好きな男を産んだ悔い        麦   

  (00連句KUSARI bT115 多村遼)432

原田千町秀逸 佛渕健悟秀逸

獅子舞の後足までもいい男     大窪瑞枝
 蔵開とて弾むご祝儀        篠原達子
ITの未知の世界は果もなし     倉本路子   

  (03歌仙「獅子舞の後足」の巻 大窪瑞枝)813

 かすかに響く時計台の音       小晴
シドニーの春を尚子が駆けぬける    ミャーママ
 綿毛のゴールたんぽぽの笑み     小太郎  

    (連句KUSARI bT736 多村遼)434

佛渕健悟秀逸 佛渕健悟秀逸

恋の闇貴方まかせの櫓にゆだね    船渡文子
 鶴とは知らず交す睦言        堀内洋子
ターミナル出逢と別れ見つづけて    竹内昭子     

 (99半歌仙「山路きて」の巻 竹内昭子)867

夜具緋色行燈の火を暗うして     川野蓼艸
 ローマ字日記真実を書く       田中雅子
ベーグルの穴より覗くニューヨーク    福永千晴    

 (03百韻「犀はとっとと」の巻 福永千晴)891

佛渕健悟秀逸 宮下太郎秀逸

 白いひかりが戯れる海       風
故郷の青い地球に帰りたい     雨乞い小町
 茄子と胡瓜の馬は並んで     小晴  

(02連句KUSARI bP7900山根敬子)1117

瑠璃色の地球は半ば泪にて      奥村富久女
 夢に顕ちくる白髪の影        友田洋子
はるけくも佐渡ヶ島なる能舞台    上田真而子    

  (03歌仙「濡れて大橋」の巻 奥村富久女)94

宮下太郎秀逸 宮下太郎秀逸

 離れ座敷の紙灯艶めく       芦川まり
雨音に愛の告白増幅し        中野英歩
 弁財天の琵琶のトレモロ      山元志津香   

    (03半歌仙「兜煮」の巻 芦川まり)343

かまどうま髭に乾坤まさぐりぬ      東浦佳子
 光の帯を垂らす初月         矢崎硯水
一心に子はひょんの実を鳴らしゐて   東浦佳子     

 (02歌仙「かまどうま」の巻 東浦佳子)518

宮下太郎秀逸 矢崎藍秀逸

 海をみおろす草萌ゆる丘      晴
遠くから遍路の鈴の聞こえきて    たつみ
 母のレシピで煮てるいかなご    桂  

 (02連句KUSARI bQ2366 斎藤恵子)900

老いの秋多病息災それもよし     片山多迦夫
 貫いて来し一匹オオカミ        沖津秀美
シベリアのタイガ樹林はひろびろと   多迦夫    

    (01歌仙「嘯き」の巻 片山多迦夫)329

山地春眠子 秀逸 山地春眠子 秀逸

 プラハ出水終末時計動くにや    佐藤良彌
溺れる象の月に振る鼻         秋山志世子
 酸橘食み西へ西へと向くならん   佐藤良彌   

     (03歌仙「終末時計」の巻 佐藤良彌)199

 ユリイカ互いの唇の上          あおゆき
クォヴァディスと君は最後につぶやいた   カンちゃん
 時雨降る夜駅の改札          Ray   

(02連句KUSARI bQ1302 Ray)228

山地春眠子 秀逸 山地春眠子 秀逸

 赤い星もつ天魚うつくし       田中雅子
うすものの浮舟憂き世捨つるとて   別所真紀
 負う悲しみの背ナが息する     河村志乃     

    (02歌仙「航海術」の巻 別所真紀)405

 記事になるたび箔つける歌手     大西素之
名医でも治せぬ病あるらしく       名本敦子
 つぎつぎ生える裏の梅雨茸      大西素之   

       (99「火の匂ひ」の巻 大西素之)767

山地春眠子秀逸 山地春眠子秀逸

 革を鞣して吊す漸寒        千草
片口の鉢に通草の実の爆ぜて    昭子
 地雷の村に育つ子供ら       初江   

      (01歌仙「はつ夏」の巻 瀬尾千草)872

 君と一緒にいたい星です       中村澄子
盗聴器欅の股にかけられて       渡部葉月
 韃靼越ゆる蝶見えますか       山元志津香  

 (99非懐紙「オールドジャズ」の巻 山元志津香)919

山地春眠子秀逸  

混沌の世をうつくしう染卵      伊藤哲子
 立棺とせよ父の背骨は      福永千晴
冷し酒ふいに鯣が裏返る      瀧田遊耳  

(02ダブルソネット「秋天瑠璃」の巻 福永千晴)958

 入選            各選者二十組
大野鵠士入選 原田千町入選 宮下太郎入選 大野鵠士入選 矢崎藍入選

 浮橋のあり戻橋あり          八尾暁吉女
うつむきし奪衣婆らしきうしろ影     飯沼三千古
 弱き者からしぼる税金         岡本眸         

 (03「城小春」の巻 八尾暁吉女)602

秀才の家系が生んだ遊び人     服部三千代
 鮎釣りだけはプロの領域       永坂博美
み仏と高野にやどる夏の月      山田たみ子    

  (02半歌仙「鴨千羽」の巻 山田たみ子)245

大野鵠士入選 矢崎藍入選 近松寿子入選 宮下太郎入選

月の影狙ひ吸ひ込む蟻地獄      武村利子
 守銭奴といふ芝居さながら       青島ゆみを
通帳は億の単位とほくそ笑む      杉山壽子      

 (02半歌仙「数へ日や」の巻 武村利子)451

恋いまだ知らず激しき恋を詠み    向井由利子
 ペンを片手に呷る冷酒        名本敦子
片割れの月が雲間に桜桃忌     大西素之      

   (03歌仙「堰の水」の巻 大西素之)758

近松寿子入選 矢崎藍入選 近松寿子入選 佛渕健悟入選

あすは誰オセロゲームの政官界     とまと
 魅惑誘惑疑惑困惑          啓子
木曽駒の妻恋う眼月渡る        節子   

 (02十二支行「真鯛のポアレ」の巻 坂入啓子)532

歳月や花は否と降り悲と積もり     大窪瑞枝
 枝渡りつつ風を呼ぶ鷽         宮内志乃
打ち揃ひ利茶の席のにぎはひて     長崎和代        

  (02歌仙「歳月」の巻 大窪瑞枝)809

原田千町入選 宮下太郎入選 原田千町入選 宮下太郎入選

 牛の反芻静かなる宵          青沙
道祖神村のはずれで抱き合うて     泰
 浴びるシャワーに彼の香を消す     清江  

  (02歌仙「羽子板の」の巻 西田青沙)23 

 じゃれ合うてふと会話とぎれる      鈴木美奈子
またひとつ身を重ねては悔を積み     鈴木了斎
 三日続きのはたはたの鍋        式田恭子      

   (03「人に尾の」の巻 式田恭子)1134

原田千町入選 矢崎藍入選 原田千町入選 矢崎藍入選

 先生が好き数学も好き         佐津喜
難題だ妻も児もいる婆もいる       規夫
 棚にどっしりマイセンの壺         京子      

  (02「朽ちし木道」の巻 山中佐津喜)381

 遠い棚には土鈴数々       谷田部弓子
報復の空爆いつまで続くやら    永井政子
 黙って掬う大鍋の灰汁       和田洋子    

  (01半歌仙「福々狸」の巻 大久保風子)928

佛渕健悟入選 宮下太郎入選 佛渕健悟入選 山地春眠子入選

 糸瓜が咲いて吹き抜けの露地     片山多迦夫
女体めく砂丘の起伏土用凪       沖津秀美
 情痴のコンテC.Gで描く         多迦夫

   (99歌仙「禊川」の巻 片山多迦夫)332

 押しくら饅頭教頭もゐる      島村暁巳
冬深く軍帽月に濡れしまま      式田恭子
 ゼラチン状の一湾の水       鈴木了斎

   (03「ぶらぶら節の」の巻 鈴木了斎)1135

矢崎藍入選 山地春眠子入選 矢崎藍入選 山地春眠子入選

 薄くなりたる理科の教科書       清水貴久彦
バーナーの青き炎に立ちすくみ      吉田岸子
 職工求む委細面談           正村静子

  (02「壬生菜」の巻 清水貴久彦)261

胡旋舞を明日もとねだる貴妃の顔    山中狐太
 十指に余る男振り捨て          北野眞知子
水底のデルタ地滑り音もなく        野島一子

        (02半歌仙「冠雪」の巻 山中狐太)661

矢崎藍入選 山地春眠子入選 大野鵠士入選

 海賊船の渡る星雲           嶋田満子
大使館駆込寺になり果てて        中林速雄
 灼けつく喉に呷るウオッカ        渡辺多美子

   (03宗祇水奉納連句 中林速雄)1060

林檎剥くナイフエッジは鋭角で      富田定女
 フェルトブーツの黄金の紋章      竹内茂翁
楼蘭の乙女の木乃伊麗しく       星野えん      

 (03半歌仙「松とれて」の巻 竹内茂翁)52

大野鵠士入選 大野鵠士入選
 「夢判断」を読んでため息       道草
舵取りは貴女まかせの愛の船      キリマンジャロ
 シーツの海をすべる指先        みのり    

(02連句KUSARI bQ2856 田岡弘)76

再会を約す口づけ繰り返し       青野竜斗
 黒猫走る夜の街角           草木原やえ
お稲荷の奉納幟はためきて       青野弥幸

  (99「パスポート」の巻 青野隆夫)81

大野鵠士入選 大野鵠士入選

地芝居の異界に入るくぐり木戸     朱鷺子
 たましひ盗むえげれすの酒       孝子
ロウスクール恋の作法も濃まやかな   かりん   

  (02歌仙「メイストーム」の巻 登坂かりん)387

野にあればアラブの馬の逞しく      小晴
 国を幾つも越えるモンスーン      麦
通じないことば顔立ち似ていても     桂   

  (00連句KUSARI bS851 多村遼)438

大野鵠士入選 大野鵠士入選
銭湯へひとつの傘に濡れてゆく     加藤よしみ
 デカルトカント遠き青春        佐藤清江
団塊の世代悩みも多からん      岡本耕史     

  (01半歌仙「蕎麦白し」の巻 岡本耕史)590

 半刻もたぬ門の打ち水         上島登志彦
ネット株危うさもまた魅力にて       立石洋一
 目利き自慢がつかむ贋作        立石洋一

        (01歌仙「紅格子」の巻 立石洋一)635

大野鵠士入選 大野鵠士入選

体脂肪燃やす蝋燭ないかしら      雨乞い小町
 ねずみ一匹蔵に侵入          はやお
嫁入りと言わぬ娘の事実婚       のら  

 (03連句KUSARI bQ8307 山根敬子)694

 林の中を螢ちらほら           土屋実郎
神父から叱られている羽抜鶏       小林静司
 何でもかでも赤チンをつけ        和田忠勝   

   (02歌仙「祝優勝」の巻 小林静司)804

大野鵠士入選 大野鵠士入選
 ビール呑みねえ寿司も食ひねえ     多喜
クランケがドクターよりも物知りで      靜波
 教育勅語すらすらと書く         多喜    

    (00歌仙「軒氷柱」の巻 戒能多喜)849

世を分かつ戦さもありきこの地球(ほし)に   プラチナ
 憎しみだって愛の形と             藍音
遠ざかる彼の背中に雪にじむ          北風と太陽

 (02連句14「伝えたい想い」の巻 市川明宏)880

大野鵠士入選 大野鵠士入選
 恋にやつれて風の泣き真似       圭衛子
ぬくもりを知ってしまひぬ泥人形      杏花
 取り残された靴の片方          吉野       

   (03「遠雷を」の巻 松本杏花)908

老猫と人生の刻分かち合い        ニャン
 大樹となりて花は盛りに          キリマンジャロ
おかえりと言われたような春の空      カンちゃん   

 (01年連句KUSARI bW567渡邉正和)972

大野鵠士入選 大野鵠士入選
瑪瑙の簪ひそと手から手         井上蘭石
 妬心をば千住を越えて草加まで    川野蓼艸
風船からむ橋桁の端           井上蘭石    

  (00胡蝶「水着着る」の巻 川野蓼艸)1077

 ふるさと遠く母のほほえみ        冨田一青子
頬張りし金平糖のなつかしさ       矢崎妙子
 初茜まで枕添いする          矢崎硯水     

   (00歌仙「冬ごもり」の巻 矢崎妙子)1079

近松寿子入選 近松寿子入選

労咳のアンヌの閨に陽がさして      福永千晴
 男女の業と鮟鱇の腸(わた)      川野蓼艸
散乱とバーゲンセール燦爛と       福永千晴    

 (99「労咳のアンヌ」の巻 川野蓼艸)722

 紛れこんだかとぐろ巻く蛇        黒木美代子
一億人載せ列島のやや重し       矢崎藍
 老いも若きもお伊勢参りに       深津明子  

   (03半歌仙「寒九の雨」の巻 深津明子)1052

近松寿子入選 近松寿子入選

こぼるるを手で探りつつ零余子とる   横田童子
 一炊の夢覚ます村雨         大城里水
中東に平和は遠く戦車行く       杉崎迪子      

   (01歌仙「寿ぎの」の巻 大城里水)201

花蔭やまた戦争が立ってゐた      魚乙
 弥生しづかに濡らす軒下       千晴
孕猫抱けば遠い眼して         健悟  

(03二十韻「戦争が立ってゐた」の巻 福永千晴)1159

近松寿子入選 近松寿子入選

モノクロの町を過ぎゆく焼芋屋      真木早苗
 粉雪を巻く理髪看板          山元志津香
お手玉を五つむうなな八縫いあげて   桑原泰子   

 (01半歌仙「モノクロの町」の巻 真木早苗)314

裏切りをなじる言葉は胸に秘め     みのり
 上手に嘘をつける寂しさ        カンちゃん
卓上に一輪紅い冬の薔薇       桂  

 (02連句KUSARI bQ0647渡邉正和)1025

近松寿子入選 近松寿子入選

足跡の消えた二人は露にぬれ      芳子
 契りし盃にやどる月影          文子
くの字型Vの字型に雁渡る        良子        

  (00「山茶花」の巻 船渡文子)302

 ひよんな事から待合はすはめ      倉本路子
閨のなか嫉いてみせるもわざのうち    長崎和代
 うめちやんといふ猫が伸びする      路子       

          (00 倉本路子)815

近松寿子入選 近松寿子入選

幾万の骸を抱いて海光る         ミャーママ
 大本営の史跡松代           たつみ
こどもらの背に降り注ぐ蝉しぐれ      ミャーママ  

 (01連句KUSARI bP1303 山寺辰巳)573

薔薇の湯や寵姫のごとく身を浸す     もり
 首に涼しくパール大粒          波青
鑑識に回す吸ひ殻紅淡し         文子  

 (00恋づくし十二調「薔薇の湯」の巻 木村ふう)861

近松寿子入選 近松寿子入選

捨案山子宇宙の声に耳をかし      諏訪欣二
 旅枕とてしるす腰折れ          富澤弘
筆とれば矢立の墨は涸れてをり      諏訪欣二       

  (03「雨蛙」の巻 諏訪欣二)770

二百段のぼり御陵の青葉かな      博雄
 とほき美学をたどる夏帽         文子
茶香炉の薫りほのかに漂いて       昭子      

   (02「御陵」の巻 船渡文子)312

近松寿子入選 近松寿子入選

すったもんだでほどく知恵の輪       内山尚美
 冤罪を晴らさぬままに月今宵      松永直子
谿を呼びかう秋の山彦           堀本吟     

  (02歌仙「河童出でよ」の巻 松永直子)856

身の内に滾る火のあり皿磨く       宏子
 南も北も雪の連山           霞
それぞれの「原理」獣の角のごと     敏江

  (03半歌仙「ワライカワセミ」の巻 平田宏子)514

近松寿子入選 原田千町入選

とりどりの薔薇の垣ある家路かな     金子富江
 薫風に漕ぐ赤き三輪           森冨子
世界中インターネットで結ばれて     小西知子     

  (99半歌仙「薔薇の垣」の巻 森冨子)662

 風がさらってゆきし宮様         須賀一恵
貴腐ワインふふみてをりぬ乘馬服    紅露ゆき子
 相模の海に霞棚引き          清水豊次      

    (02「鳶舞ふ空」 紅露ゆき子)137

原田千町入選 原田千町入選
 億光年の防人の歌           小町
今日もまた宇宙戦艦発進す       雪兎
 愛をたくさん持って行かなきゃ      みのり

 (02連句KUSARI bP6268 小山百合子)195

 四角の額に家訓五箇條       唐渡北勢子
帆を上げる練習船に望の月      伊藤白雲
 醸す葡萄酒香り馥郁         本屋良子       

  (00「蝶の影」の巻 唐渡北勢子)622

原田千町入選 原田千町入選

ばいまわし今は昔のこととなり        わこ
 ホスト勤めの業平の裔          暁巳
世界中のバタ溶けるほど君が好き     達子      

 (03半歌仙「いづくより」 篠原達子)705

 一文銭に噴きし緑青          寺岡情雨
飴買ひに迷ひ出でたる稚児の霊     大西素之
 すぐ行きづまるバーチャルの街     岡田伊勢子       

  (01「博士号」の巻 岡田伊勢子)756

原田千町入選 原田千町入選

 枯野の宿に独り酌む酒         大西素之
ソクラテス弁明などはせぬがよく      杉山豚望
 親に似つかぬ子猫ぞろぞろ        山口博三     

  (02「土用凪」の巻 山口博三)765

 点せば燃ゆる亜拉比亜の酒      倉本路子
これほどの美女なら妻は魔女でよし   路子
 髪洗ふ腋いたづらの指         島村暁巳

     (99 倉本路子)825

原田千町入選 原田千町入選

裏帳簿ひそむ金庫の二重底       今村苗
 憂き世は知らず踊る蜉蝣        池田紅魚
芳一の耳のみ月に浮かびいて       小林静司       

  (02歌仙「冬麗」の巻 小林静司)947

山襞に隠れ棲み古る鬼女の裔     西野文代
 一升瓶の倒れたる音          岩城久治
諍いの止みし畳を闇が這い       澁谷道       

 (02歌仙「野分」の巻 澁谷道)968

原田千町入選 原田千町入選
 斜面に実るオリーブの影         風
目覚めよと呼ぶ声がする夢の中      道草
 銃の世界のまだおわりなき        不用之助  

  (連句KUSARI bQ6330 生方卓)981

 流人の墓に遺る薄氷         西脇智子
いざ花見舟もゆきかう通り抜け     繁原敏女
 結末もなし春のおしゃべり       岩崎美帆       

   (00「石の亀」の巻 西脇智子)998

原田千町入選 佛渕健悟入選

抽き出しに2年暮らした部屋の鍵     とろっぺ
 ナチの追っ手がドアの外まで       蕗
神様はイツ眠りから目覚めるの?     カンちゃん

  (03連句KUSARI bQ7687 渡邊正和)1027

きしめんと海老の天むす文化の日    竹内茂翁
 おみゃーさんには世話になったも     木村ふう
手拍子の揃はぬ席の手打式       富田定女     

    (02歌仙「父の日や」の巻 竹内茂翁)60

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選

 死もて購なう兄(イロセ)との恋     岡本星女
はしりがね夜毎に変る徒枕        富田定女
 はぐれて一羽帰るかりがね        横山わこ     

  (02R「死もて購なう」の巻 富田定女)56

ほうたるの命をかけたこの一夜      キリマンジャロ
 燃ゆる柔肌つつむ羅          兎
指先が結ぶホクロの点と線        ええ一  

 (02連句KUSARI bQ1997 田岡弘)70

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選
 おさへかねたる露も泪も         富久女
さゆらぐはすすきかるかやおみなへし    紅舟
 粥にはならぬ秋の七草          長駆        

 (03世吉「御霊」の巻 奥村富久女)93

 無弦のこころ曲を奏でず        本屋良子
地図睨む男のあとをただに從き     志治美世子
 背を重ねる青歯朶のかげ       本屋良子     

    (03「美き猫」の巻 本屋良子)136

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選

草木のこゑなつかしむ白露かな      黒田杏子
 秋を溢るゝ大川の藍           水野隆
北緯十度確かな月を仰ぎみて      伊藤哲子         

 (02「白露」の巻 伊藤哲子)272

服のまま闇のプールに抱きあひて     野尻涼悦
 死んでみたらと青葉木菟鳴く      山元志津香
ガラス工月と水仙吹き起す        川野蓼艸  

(99短歌行「ロンギヌスの槍」の巻 山元志津香)317

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選
 ミケの行方を手相見に聞く        紫
空ビンも兵器も埋まる防砂ダム      道草
 子々孫々にツケをまわして        ひわ  

 (03連句KUSARI bQ8322 藤井ミイ)320

伸びてくる腕に素直に抱かれゆき     かりん
 恋の衣に吹雪しばらく           かりん
月煌と日本狼らしき影           あや     

 (02半歌仙「岩檜葉の」の巻 登坂かりん)382

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選

 抱けば胸に鼓動やわらか         苗
教え子がいつしか魔女となりし闇      静司
 循環小数すべて分数           実郎    

 (99半歌仙「指笛の」の巻 土屋実郎)398

いつしかに噂は路地の奥までも      森本節子
 缶ころころと飛ばされてゆく        西幾多
熱燗をたのむ屋台の月冴えて       伊藤柳香     

     (03歌仙「格勤」の巻 西幾多)401

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選

 夏の霜置く太秦の寺           郁子
わかってるでも嬉しいな君の嘘       路子
 杞憂に終はる佳人薄命         千恵子     

  (01「振売の」の巻 鈴木千恵子)459

 回る水車の石臼の音          粒針不修
茹で上げしうどんのコシのほどの良さ   加藤哲夫
 昇進もせず会社定年          山田政利     

   (03二十韻「浅蜊餅」の巻 山田政利)571

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選

金精の冴えて眠れぬ浮寝鳥       名本敦子
 不渡手形つかむ歳晩          大西素之
子供らの人生ゲーム佳境にて       山口博三         

   (00「蛸壺」の巻 大西素之)741

月まろくトトロに出会ひさうな森      篠原達子
 ちんちろりんにつづくすいっちょ      今宮水壷
垂乳根の鶴女と酌める新走り      倉本路子       

            (倉本路子)820

佛渕健悟入選 佛渕健悟入選

繊月は風見の鶏のうへにゐて       林鐵男
 木槿の里にチマの匂やか        西田一枝
新豆腐おかかをかけて箸二膳      横山わこ   

 (03半歌仙「光りの深雪」の巻 西田一枝)836

子午線にお湿りほどの日照雨      矢崎硯水
 遠吠えをするコヨーテの声        矢崎妙子
ロフトでは詩のボクシング始まって     矢崎硯水   

 (02スワンスワン「舌頭に」の巻 矢崎硯水)1146

宮下太郎入選 宮下太郎入選

大寒に耐えて列島弓なりに        キリマンジャロ
 握り返した霜焼けの指          ええ一
かあさんの温もり今も懐かしく       晴

   (02連句KUSARI bP5485 田岡弘)74

攻め焚きの塩噴く肌の汗なりし     青野竜斗
 ひと息入れし若竹の蔭         武知千代
石庭の配置よろしく納まりて       井上弥生

  (00「攻め焚き」の巻 青野隆夫)84

宮下太郎入選 宮下太郎入選

さなぶりに腰蓑踊りやってみせ      登坂かりん
 こなき爺が自轉車で来る        秋山志世子
しがらみの糸をたぐれば朱くなり     登坂かりん

   (02源心「木の芽ほぐるる」の巻 秋山志世子)144

マリオネット糸の縺れを整える      服部三千代
 入学式のおすましの子等       堀越茂子
花吹雪風に指揮棒あるごとく      山田たみ子      

 (01半歌仙「冬日」の巻 山田たみ子)246

宮下太郎入選 宮下太郎入選

声明は男のものぞ冴返る        内田さち子
 高きに霞む飛天水煙         鈴木アヤ
ロゼ淡し春の旅路のはじまりに      さち      

    (03「声明は」の巻 内田さち子)276

暫し待つ鯛の兜煮女正月        真木早苗
 壁になだるる繭玉の影          山元志津香
町角のガラス工房賑はひて        芦川まり     

    (03半歌仙「兜煮」の巻 真木早苗)309

宮下太郎入選 宮下太郎入選

葉桜や水源堤を風走る         由川慶子
 筍飯の手提げ弁当          佐久間和宏
鮮やかな若宗匠の点前にて      加藤治子       

  (01半歌仙「葉桜」の巻 加藤治子)375

かねてより期せる得度の朝ぼらけ     今村苗
 眼差閉じて青年の鬱          小林靜司
純愛の夜を裂くかに軍用機        村上敦子       

   (02「蕎麦の花」の巻 小林靜司)827

宮下太郎入選 宮下太郎入選

ヒマラヤの雪より美女の木乃伊出て   林道子
 三途の川を渡る道行          福井翠
土産にとさいらの鮨の持ち重り      竹内茂翁        

  (03R「松の葉の」の巻 福井翠)876

闇汁の闇のそこひに汝とわれと       石田京
 むかし男とあやとりの橋          別所真紀
燃すべきか燃さざるべきかゴミ分別     福永千晴    

    (02世吉「悉皆空」の巻 福永千晴)892

宮下太郎入選 宮下太郎入選

扇凧狂ひ凧など入り乱れ         三木英二
 絵空事とは言へぬ革命          鈴木漠
ジーンズの破れに呪縛ほどかれて     福永千晴      

  (02歌仙「作魔生」の巻 福永千晴)962

 自然と共生ねらう万博         蕗
海や空森や大地は誰のもの       カンちゃん
 遊行の旅の一遍の影          たつみ   

 (00連句KUSARI bS766 渡邊正和)989

矢崎藍入選 矢崎藍入選

 夢のかたちの糸瓜生らせる       岡田重義
パラサイトシングルといふ臑囓り      佐藤清江
 お使ひをする犬の評判         西田青沙       

 (02歌仙「雪嶺を」の巻 西田青沙)13

シャッターを下ろしたままの店がまた    浅野寿治
 故郷行きのバスが出て行く        辻斉
もう一度恋してみるかといい笑顔     矢頭美代子   

    (01二十韻「萩の雨」の巻 浅野寿治)117

矢崎藍入選 矢崎藍入選
 共に白髪の今も大好き         益美
月明かり電灯消してブランデー      とみこ
 ハイデルベルクの古城秋めく       慶子      

     (99「沈丁花」の巻 塚本益美)121

寄せ鍋に絆深めて年忘れ        田井中宗一
 言へぬ意見が言へたひととき      大西多美子
燕来る古巣のぬくもり身にしみて     奥村榮一     

(02連句雑三句「寄せ鍋に」の巻 奥村榮一)552

矢崎藍入選 矢崎藍入選

御神火の山すっぽりと霧隠れ       竹野梢星
 思ひ出せない暗証番号         岡本耕史
大正は遠く明治ははるかにて       伊藤千秋       

  (01歌仙「窯の春」の巻 岡本耕史)660

 ダム竣工に寒のかりがね        岩永極鳥
ストップ・ザ公共事業デモが行く     秋山よう子
 あの日あなたを駅で待ったわ      今村苗      

  (00「敬老の日」の巻 秋山よう子)704

矢崎藍入選 矢崎藍入選
 背を向け合ってかこつ腰痛       戸沢鞠
縫いぐるみゴリラの檻の昼休み      近藤蕉肝
 時給千円貼紙に東風         小林静司    

    (02半歌仙「青林檎」の巻 小林静司)829

 男の背中さすが大きい         こくまろ
高楼に咲き乱れつゝ花の散る      花よりメロン
 シロツメ草で編んだ友情        紅い風      

 (03ROCK「友情」の巻 加藤智恵子)881

矢崎藍入選 矢崎藍入選

飛行機の荷物検査はこまごまと      わこ
 魔女サミットの世界大会         机楽
夏の霜セントジョセフの苔を煮る      ポ空    

 (01歌仙「ブルカを脱いで」の巻 横山わこ)1081

 強制連行それからの兄        大窪瑞枝
柩打つトラジの唄を聴きながら     鈴木美奈子
 瞳こらせば夕暮れの星        井上鶴鳴      

   (02歌仙「神の手」鈴木美奈子)1100

矢崎藍入選 山地春眠子入選

 べったら市の甘いべったら         式田恭子
石ひとつ投げて物の音いよよ澄み     鈴木了斎
 確かなことを探す毎日          式田恭子        

 (03「啓蟄や」の巻 式田恭子)1133

朝まだき京の祇園の石畳         星野えん
 火消壺には万の印が          竹内茂翁
茶断ちしてさまざまのこと見えてくる    富田定女     

  (02十二調「心地よく」の巻 竹内茂翁)57

山地春眠子入選 山地春眠子入選

 ここに陸尽き海がはじまる         杏花
アメリカン・ドリーム吊す花だから      圭衛子
 ひとには告げむ春の隔たり        美子

(01歌仙「アメリカン・ドリーム」の巻 松本杏花)191

ここよりは恋愛禁猟区           西條裕子
起こし絵おどろおどろ生首ころげ      赤坂恒子
苺ミルクスプーンで潰す           竹内菊世         

 (03「浮き雲」の巻 竹内菊世)267

山地春眠子入選 山地春眠子入選

りうりうと魚奔るなり禊川          片山多迦夫
 嬰も抱かれてくぐる菅貫         沖津秀美
稿成りしメルヘン月や照らすらん      多迦夫       

 (99歌仙「禊川」の巻 片山多迦夫)333

 河馬の欠伸に笑ひころげる       斉藤弘子
誰がための野菜くだもの山積に      片野弥恵
 カレーの国のスリムなる彼        西幾多       

 (02歌仙「青筑波」の巻 片野弥恵)396

山地春眠子入選 山地春眠子入選

 サルサ踊れば夫を忘れる          古宮まゆみ
なれそめはドゴール空港?勝手にせい    柳沢その
そ ばかす乳房にボディーペイント       大村げんの    

 (02半歌仙「サルサ踊れば」の巻 古宮眞弓)478

大草原馬の背分ける風もなく       実枝
 具体的から抽象的へ           手留
漠々とテロ討論のうすら寒         敏江      

 (02短歌行「新年好」の巻 渡辺実枝)522

山地春眠子入選 山地春眠子入選

 拉致調査団平壌に着く          たつみ
闇深く激しさを増す虎落笛         桂
 大鍋で炊く鰤と大根            麦  

(02連句KUSARI bQ2252 山寺辰巳)591

 納めの彌撤の鐘にきき入る       今村苗
月冴えて霜降る音のするような      秋山よう子
 奥歯かみしむテロリストども        蛭海亭雲子       

   (02「山桜」の巻 秋山よう子)723

山地春眠子入選 山地春眠子入選

風船をせがまれている若い叔父       田天志
 郵便自動車ベルファストゆく        瑛子
なお続く自宅軟禁烏啼く           良子  

 (01歌仙「ななめ夏帽子」の巻 谷地元瑛子)783

隣町まで鍋下げて去来の忌       たすけ
 向かひの家も住み変はるとて      ふみぽん
朝な夕な西の言葉の美しき       丁      

  (03歌仙「壷焼」の巻 木村ふう)798

山地春眠子入選 山地春眠子入選

 テーブルの上滑る絵葉書        カンちゃん
吹く風に秋が近いと知らされて       桂
 やさしく馬を洗う少年           晴

(03連句KUSARI bQ6210 斎藤恵子)905

幾たびも掃いて見上ぐる待てば椎     岩崎田鶴子
 「砂の女」はうすばかげろう        西山真樹
逢ひたしと古色の文のかすれ書き     本橋歌子     

  (03半歌仙「長子待つ」の巻 西山真樹)921

山地春眠子入選 山地春眠子入選

道問へば紙飛行機が背にあたり     生田目常義
 青い少女とサーカスのビラ        中林あや
抑へてもふくらむ君の愛らしさ       鈴木美奈子      

 (02源心「星喰らふ」の巻 鈴木美奈子)1097

 うつらうつらと春の一日           霞
ふらここで行ったり来たり黄泉の国      雨乞い小町
 招待状は封を切らずに           麦   

 (02連句KUSARI bP7918 山根敬子)1118

山地春眠子入選  

ハロウィンの魔女の秘薬にだまされて    龍
 気合いとともにバックドロップ        なるとみや
いっせいに電気の消える講義棟       聖きよみ.  

 (00歌仙「Only You」の巻 小竹由起)1148